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『2013 車載光学関連市場の現状と将来展望』まとまる(2014/1/9発表 第14002号)

LEDヘッドランプ、MID、ADASなど自動車の走行安全性向上を目指す世界の車載光学関連システム市場を調査

2022年世界市場予測(12年比)
ヘッドランプシステム 6,864億円(74.9%増) 15年以降ハイエンド車を中心にLED化が進行
インパネ(MID付車載メータ) 5,404億円(2.6倍) 欧、日、米共に普及、のち欧州の伸び穏やかに
ヘッドアップディスプレイ 2,393億円(10.9倍) 15年以降予定の欧州の搭載義務化で大きく拡大
先進運転支援システム 1兆1,283億円 (6.3倍) 20年以降市街地の自動運転を目指し、高機能化

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、昨年9、10月に、世界の自動車市場を対象に、今後開発が注目される「安全」「快適」分野の光学関連システムとその注目構成部材を表示、照明、安全/センシング分野に絞り調査した。
 その結果を報告書「2013 車載光学関連市場の現状と将来展望」にまとめた。

 近年、自動車における「環境」「安全」「利便・快適」をテーマとした技術開発が精力的に行われてきたが、この「安全」「快適」分野の核となるのが光学関連技術である。「安全」分野では車載カメラ、センサー、ミラーを適宜利用したシステムが構築され、「快適」分野では液晶ディスプレイ(LCD)の採用、ヘッドランプやリアランプの省電力化/軽量化のためのLED化や有機ELの採用が進むと予測され、これらを融合して生まれる将来性の高い分野が注目されている。

調査結果の概要
 2013年見込12年比2022年予測12年比
表示分野2兆5,942億円104.6%3兆7,937億円152.9%
照明分野7,592億円100.5%1兆2,171億円161.1%
安全/センシング分野6,309億円126.8%1兆7,998億円3.6倍
合計3兆9,844億円106.7%6兆8,106億円182.4%
1. 光学関連システムの世界市場(8システム)
 富士キメラ総研では、22年の世界の自動車生産台数を12年に比べ40%増の1億1,800万台と予測している。20年には日本で車載カメラ、ミリ波・レーザーレーダを搭載しその機能を統合した自動車が20万台程度生産され、20年以降、先進運転支援システム(ADAS)のさまざまな技術を融合した完全自動運転自動車が本格的に実用化すると予測される。
 このような予測をもとに調査対象の車載光学関連システムの13年実績は世界で、前年比6.7%増の3兆9,844億円になると見込まれる。22年には12年から82.4%成長の結果、6兆8,106億円の市場に拡大すると予測される。
 (1) 表示分野システム(インストルメントパネル、センタークラスター、ヘッドアップディスプレイ)
 表示分野システムは、インストルメントパネル(以下インパネ)とドライバーと助手席間の空間・センタークラスターシステムの高機能化とともに、ヘッドアップディスプレイが急速に普及して、22年には12年比52.9%増になると予測される。
 インパネ(MID付車載メータ) 13年見込 2,382億円 22年5,404億円 12年比2.6倍
 インパネは、燃費改善やエコ意識が引き金となり、それらの情報を表示するMID(マルチインフォメーションディスプレイ)の搭載が進み、先進国では一般的となっている。
 13年見込でMID付車載メータの搭載率はインパネシステム全体の26%であるが、22年には52%まで拡大すると予測される。センターディスプレイやヘッドアップディスプレイ(HUD)などの情報表示も採用されるが、低コストで見やすい位置への設置が可能なため高い搭載率が予測される。MIDのサイズも現状の3.5インチから5〜7インチへと大型化すると予測される。
 日本では、国内と主に北米向けの自動車にMID付車載メータタイプのインパネを採用する比率が高まる。13年にはMID付インパネの比率が非搭載車を凌ぎ、22年にはMID付インパネがほぼスタンダードになると予測される。
 欧州も、日本国内市場と同様にMID搭載車種が増加していく。しかし日本市場と比較してその伸び率は緩やかと見られる。MIDをインパネではなくセンタークラスターに搭載し、センターディスプレイに統合する傾向もあるからである。さらに欧州ではインパネとセンタークラスターを一体化したIVI(In Vehicle Infotainment:車内情報・娯楽システム)システムの開発が積極的に進められている。北米もインパネよりもセンタークラスターに搭載するMIDが増加すると考えられ、今後も欧州や日本よりMID付のインパネの搭載率は低いままで推移すると思われる。
 センタークラスター 13年見込 1兆9,715億円 22年2兆7,433億円 12年比46.8%増
 センタークラスターは、ドライバーだけでなく同乗者全員に情報や快適性を提供する機器搭載スペースである。13年には5インチ以上のディスプレイ搭載センタークラスターが20%を占めたとみられ、22年には全体の34%まで拡大すると予測される。カーオーディオやヒーターコントロール(以下ヒーコン)にも5インチ以上のディスプレイが採用されるケースが増加しているため需要が拡大していく。
 日本では、12年に5インチ以上のディスプレイが20%を超え、22年には68%にまで拡大、特に小型車へのディスプレイオーディオとヒーコンのシステムが大幅に伸びると考えられる。欧州では、同ウェイトが22年には62%まで拡大すると予測される。
 北米では、後方確認カメラの搭載が義務付けられ、その映像をインパネ内のMIDや5インチ未満のディスプレイを使用したバックミラーやカーオーディオで行うことが有力であるため、5インチ以上のディスプレイの搭載ウェイトは22年でも42%程度の普及にとどまると予測される。
 ヘッドアップディスプレイ 13年見込 313億円 22年2,393億円 12年比10.9倍
 ドライバーが視線を大きく移動させることなく情報を確認できるシステムとして注目されるが、コスト高から高級車を中心にオプション市場を形成して来た。12年の市場は、車両生産台数ベースの約1%に過ぎない。今後はコストダウンとさらに見やすさを進化させた製品開発が進み、着実に市場は拡大する。22年には、車両生産台数ベースの10%を占める市場と予測される。
 日本では、レーザープロジェクター光源を使用したタイプが市販品として登場しているが、全体としては低コスト化が進むと思われるLCDタイプが市場を形成し、22年には生産される自動車の22%にHUDが搭載されると予測される。欧州は、HUDの高需要市場となっており、15年には欧州の消費者団体による評価基準(EuroNCAP)に中型車以上へのHUDの標準搭載が加えられる予定であり、中長期にかけて販売は大きく拡大すると予測される。
 北米も、急激ではないがIVIシステムに共存する形で搭載が進んでいくと予測される。
 (2) 照明分野システム(ヘッドランプシステム、リアランプシステム、室内照明)
 現時点では比較的高価なLED製品の拡大が見られる。今後単価は大きく低下するものの、市場全体では22年に金額ベースで12年から61.1%増になると予測される。
 ヘッドランプシステム 13年見込 3,962億円 22年6,864億円 12年比74.9%増
 現在前照灯の光源には、ハロゲンランプ、HIDランプ(High Intensity Discharge lamp:高輝度放電ランプ)、LEDランプが使用されている。
 LEDヘッドランプは消費電力が小さく長寿命であるが、価格がHIDヘッドランプの3〜5倍、ハロゲンヘッドランプの10倍以上となるため、金額ベースでは10%(数量ベースで2%)にとどまっている。今後、LEDの高輝度化と低価格化が急速に進み、22年には金額ベースで75%(数量ベースで市場の22%)を占めると予測される。その結果ヘッドランプシステムは一層小型化や形状の多様化に進むと予測される。長期的には、レーザー方式ヘッドランプの登場も予想される。今後自動車の需要の中心が日米欧に代表される先進国から、中国、インドといった新興国地域に移っていくことから、徐々に新興国を含むその他地域でのLED比率も上昇するとみられる。
 機種別には、ローエンドやミドルクラス車の一部が、価格面を重視して引き続きハロゲンヘッドランプを使用する一方で、ハイエンド車両を中心に15年以降、急速にLEDヘッドランプの搭載が進むと予測される。金額ベースでは、各地域とも20年頃に市場規模が縮小するとみられる。現在高価なLEDヘッドランプの単価が大きく低減すると予想されるためである。
内容の詳細につきましては『2013 車載光学関連市場の現状と将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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