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『2013年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望』まとまる(2013/4/26発表 第13033号)

機能性高分子フィルムの市場を調査

2016年予測(2012年比)
モーター用絶縁フィルム:18.7億円(3.6倍)〜HV・EVの普及に伴い需要が拡大
ハイブリッドバリアフィルム:22.6億円(1.7倍)〜欧州を中心にアルミ代替として好調

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、2013年1月から3月にかけて、ベース材となるプラスチックフィルムにコーティングや蒸着などの表面処理、ラミネート等の二次加工、またはベースフィルム原料自体の高機能化やハイブリッド化等により何らかの機能を付与した、機能性高分子フィルムの市場を調査した。機能性高分子フィルムはエレクトロニクス、エネルギー、自動車、包装、メディカルなど多岐にわたる分野で応用されている。
 その結果を報告書「2013年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望」にまとめた。
 この報告書では、機能性高分子フィルムとして55品目を取り上げ、その応用領域を、FPD、半導体・実装、電池、バリアフィルム、自動車・産業用、包装・メディカルの6分野に分類し、品目別に市場規模や用途展開状況、材料構成、海外動向、研究開発状況などの観点から市場の分析を行い、今後の方向を予測した。

調査結果の概要
機能性高分子フィルム主要分野市場推移(世界市場)
 2012年2016年予測16年/12年比
FPD分野(15品目)1兆8,033億円1兆 9,571億円108.5%
電池分野(7品目)4,103億円5,664億円138.0%
自動車・産業用分野(10品目)1,438億円1,671億円116.2%
自動車・産業用関連に含まれる防錆フィルムのみ国内を対象としている
FPD分野
 2012年のFPD分野は前年比3.0%増の1兆8,033億円となった。偏光板や輝度向上フィルム、位相差フィルムなど高単価の品目のウェイトが高く、2013年以降もこれらのフィルムが市場を牽引し、2016年は2012年比8.5%増の1兆9,571億円に拡大すると予測される。
 タッチパネル関連用途はスマートフォンやタブレットの旺盛な需要に牽引され、引き続き好調に推移するとみられる。ただし、タッチパネル構造の変化に伴い、透明導電性(ITOフィルム)、ハードコートフィルムは2015年から停滞すると予想される。LCD関連用途はフィルム価格の低下が続いており、今後も低い成長率に留まると予測される。
 フィルム別では、モスアイフィルムの伸長が期待される。携帯ゲーム機やカーナビ等の車載関連で採用され、新規用途への採用拡大も見込まれる。また、光学用透明粘着シート(OCA)やカバーシートといったタッチパネル関連フィルムに加え、ガラス基板代替を訴求したプラスチックフィルム基板の成長も期待される。
電池分野
 太陽電池、リチウムイオン二次電池(LiB)、燃料電池で使用される機能性高分子フィルムを対象とした。2012年の市場は太陽電池関連の落ち込みにより前年比1.8%減の4,103億円となった。2013年以降は太陽電池市場の回復、LiB関連や燃料電池の堅調な需要に支えられた高成長が期待され、2016年は2012年比38.0%増の5,664億円が予測される。
 太陽電池関連は、2010〜2011年の欧州FIT制度打ち切り前の駆け込み需要で市場が急激に拡大したが、2012年はその反動と欧州景気悪化の影響により縮小に転じた。モジュール価格の低下に伴うコストダウン要求や安価な中国製品の増加により各フィルムの出荷単価は下落する傾向にあるものの、2013年以降は太陽電池の導入が活発な中国市場が牽引役となり緩やかに市場は回復するとみられる。
 LiB関連は、スマートフォンやタブレットを中心とした民生小型LiB市場の拡大、および材料の使用量が多い大型LiB市場(自動車や定置用途)の立ち上がりにより、出荷単価は下落するものの今後も毎年10%強の成長が予測される。特にLiB用ラミネートフィルムは、スマートフォン、タブレット市場の拡大を受けて高成長が予想され、HV・EV・PHVでの採用が進めばさらなる市場拡大が期待できる。
 燃料電池関連は、家庭用燃料電池の製品化により、研究開発向け中心の市場から脱し2桁成長を続けている。燃料電池関連分野の市場拡大のためには、燃料電池車(FCV)市場の早期立ち上がりが期待される。
自動車・産業用分野
 この分野は、高い構成比を占めていた転写フィルムの需要が大幅に縮小したことで、2012年の市場は前年比2.0%減の1,438億円となった。
 2013年以降は、ウィンドウフィルムが自動車用・建築用共に伸長し、特にエアコンの冷暖房効率向上が図られる遮熱機能付きの需要が中国、東南アジア地域で増加すると考えられる。また、自動車用ではダッシュボード、コンソールBOX等の内装材向けが好調な加飾フィルムの需要も増えている。産業用ではフィルムコンデンサー用フィルムが、白物家電製品、AV機器、照明、自動車、電力設備などで幅広い採用に加え、単価の高い車載関連用途、インフラ産業用途の需要が拡大する。加えて、今後の成長が期待されるのはモーター用絶縁フィルムである。HV・EVの販売台数に連動した推移を示しており、今後も年率30〜40%台の高い成長が見込まれる。
 以上の各フィルムが市場を牽引することで、2016年の市場は2012年比16.2%増の1,671億円が予測される。
内容の詳細につきましては『2013年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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