プレスリリースプレスリリースPress Releases

  • HOME
  • プレスリリース
  • 『2013年版 高機能コーティングの現状と将来展望』まとまる(2012/11/28発表 第12110号)

『2013年版 高機能コーティングの現状と将来展望』まとまる(2012/11/28発表 第12110号)

エレクトロニクス分野、エネルギー分野などで高機能化、高付加価値化を付与する高機能コーティング関連市場を調査

高機能コーティング関連市場
2016年予測:2兆651億円 高成長分野は「次世代アプリケーション・材料」「エネルギー」

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、2012年9月から10月にかけて電子材料やエネルギー、工業材料分野において各種機能付与を行うコーティング関連市場(コーティング剤及び製品)を調査した。
 その結果を報告書「2013年版 高機能コーティングの現状と将来展望」にまとめた。

 本調査では、ある素地に造膜、表面処理を施すことにより、強度や耐久性、耐候性、潤滑性、耐擦傷性、帯電防止性、ガスバリア性、接着性、絶縁性、表面改質など、その製品の要求に合致する高機能化、高付加価値化を付与するものと定義付けた。
 ディスプレイ分野(LCD:6品目、OLED・電子ペーパー:4品目、タッチパネル:5品目)、エネルギー分野(太陽電池・燃料電池:5品目、バッテリー:6品目)、半導体関連分野(3品目)、次世代アプリケーション・材料分野(6品目)、自動車分野(4品目)、光学関連分野(3品目)、情報記録・グラフィック関連分野(4品目)のコーティング剤及び製品及び機能別コート剤(5品目)を対象に(計51品目)、各市場の現状を分析し今後の方向性を予測した。

調査結果の概要
高機能コーティング関連市場
 2012年見込2016年予測年平均成長率
高機能コーティング関連市場 合計1兆5,330億円2兆651億円7.7%
 ディスプレイ分野6,016億円6,953億円3.7%
 エネルギー分野5,429億円9,441億円14.8%
 次世代アプリケーション・材料分野178億円337億円17.3%
注:世界市場を中心としているが、一部品目は国内市場を対象とした。
 高機能コーティング関連市場は、2011年に前年比16.0%増の1兆4,364億円となった。2012年は世界的な景気悪化などを要因に成長が鈍化しており、前年比6.7%増の1兆5,330億円が見込まれる。2013年以降は年率8%近い成長を遂げる見通しで、2016年には2012年比34.7%増の2兆651億円が予測される。
 2012年時点ではディスプレイ分野の市場規模が最も大きいが、二次電池などが牽引することでエネルギー分野が拡大し、2014年にはエネルギー分野の市場規模がディスプレイ分野を上回ると予測される。また、2012年から2016年にかけて最も成長率が高いのは次世代アプリケーション・材料分野で、現状では市場規模が小さいものの今後の拡大が期待される。
注目分野の動向
1. ディスプレイ分野
 LCD(液晶ディスプレイ)関連は世界的なテレビ需要の頭打ちが影響し伸び悩む一方、OLED(有機EL)・電子ペーパー関連は需要が本格的に拡大していく見通しである。OLEDは大型テレビや照明など新規市場を開拓していく。また、電子ペーパーは電子書籍端末用途の増加が後押しする。
 タッチパネル関連は、2013年をピークに減少に転じると予測される。静電容量式タッチパネルにおいてカバーパネル一体型やインセル型が台頭することで部材の使用量が減少するほか、単価の下落も影響する。
2. エネルギー分野
 バッテリー関連は、スマートフォンやタブレット端末などモバイル機器用途が牽引して高成長が予測される。また、EV(電気自動車)をはじめとした車載用途や産業機器用途も需要を獲得していくとみられる。特に車載用途の市場規模は、需要が本格化すると非常に大きくなると考えられるが、EVやPHV(プラグインハイブリッド車)の販売動向やインフラ整備の進展状況にも左右される。
 太陽電池関連は、2012年は低迷したものの、2013年以降は予定されている太陽電池の設置が再び動き出すと考えられ、薄膜系太陽電池やバックシート関連の需要増加が予測される。燃料電池関連は、家庭用燃料電池市場の拡大に加え、今後FCV(燃料電池車)の本格展開が成長の牽引役として期待される。
3. 次世代アプリケーション・材料分野
 ナノインプリント用材料/転写部材とハイバリアフィルム基板が年率二桁の高成長を遂げる見通しである。
 ナノインプリント用材料/転写部材は、今後本格的に市場が立ち上がる見通しで、LEDをはじめ様々な用途での応用が期待されている。
 ハイバリアフィルム基板は、太陽電池用バックシート用途以外はサンプル出荷の段階にあるが、今後はフレキシブルOLED用途などで需要を獲得していくと考えられる。
注目市場
1. ナノインプリント用材料/転写部材【コーティング剤・世界市場】
2012年見込2016年予測年平均成長率
4.5億円20.0億円45.2%
 ナノインプリントは、数十〜数百nmの凹凸パターンを形成した金型(モールド)を、基材の上の樹脂材料に押し付けて形状を転写する、ナノ構造加工技術である。フォトリソグラフィに比べ低コストで製造できる点やナノレベルの微細パターンを一括形成できる点などから、幅広い分野で利用が検討されており、研究開発が進められている。
 ナノインプリント用の材料/転写部材は、現状ではサンプル出荷が中心となっている。2014年頃に本格的に市場が立ち上がると考えられ、2016年には20.0億円に拡大すると予測される。既に実用化している光学ディスプレイ部材用途や、近い将来に実用化される見通しであるLED用途の需要拡大に牽引されて、量産体制の確立とそれに伴う価格の低下が考えられる。量産化に向けては技術的課題が残っているものの、半導体、太陽電池、バイオ・医療関連など潜在的な需要が高い用途への展開が進めば、一層の市場拡大が期待できる。
内容の詳細につきましては『2013年版 高機能コーティングの現状と将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

ページトップ