プレスリリースプレスリリースPress Releases

  • HOME
  • プレスリリース
  • 『2011 イメージング関連市場総調査』まとまる(2011/10/26発表 第11102号)

『2011 イメージング関連市場総調査』まとまる(2011/10/26発表 第11102号)

ミラーレス一眼カメラの市場規模、2015年にデジタル一眼レフカメラを上回る予測
デジタルカメラなど光学機器と光学関連デバイス世界市場を調査

2015年予測(2010年比)
ミラーレス一眼:1,800万台(825.7%) デジタル一眼レフ:1,700万台(163.9%)
交換レンズ:5,670万本(261.3%) レンズ交換型カメラに連動し拡大、日系シェア大半

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、デジタルカメラを始めとした各種光学機器と、これに関連するデバイス、モジュール、マテリアル、装置の世界市場を調査した。その結果を報告書「2011 イメージング関連市場総調査」にまとめた。

 この調査では、デジタルカメラ、情報通信関連機器などアプリケーション・光学関連製品(20品目)、イメージセンサなど半導体デバイス(5品目)、レンズユニット、モジュール、フィルタなど光学デバイス(13品目)、集光型太陽電池用レンズなどエコ関連製品(3品目)、レンズ用樹脂材料、光学薄膜装置、射出成形機など光学デバイス製造関連製品(9品目)の各市場について、現状を分析し今後を予測した。
 また、それぞれの光学機器における棲み分け・競合状況・製品トレンドを予測し、それに関連する各デバイスの市場動向及び技術動向もまとめた。なお、本調査では、タイにおける洪水被害の影響は考慮していない。

デジタルカメラ関連市場
1. レンズ交換型カメラ
 2010年2011年見込2015年予測15年/10年比
ミラーレス一眼カメラ218万台410万台1,800万台825.7%
デジタル一眼レフカメラ1,037万台1,474万台1,700万台163.9%
 デジタルカメラでは、レンズ交換型のデジタル一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラが高成長している。
 ミラーレス一眼カメラは、日本や東南アジア地域を中心に市場が急拡大している。2010年は前年比463.8%の218万台となった。2011年以降も年率2桁の高成長が続く見通しである。2015年には2010年比825.7%の1,800万台に達し、デジタル一眼レフカメラの市場規模を超えると予測される。
 2008年に最初のミラーレス一眼カメラが投入されて以降、参入メーカーが相次いでいる。デジタル一眼レフカメラに迫る画質や機能を持ちながら、ミラーやプリズムを搭載しないため構造が単純であり、小型・軽量化を図れることが最大の特徴である。コンパクトデジタルスチルカメラとデジタル一眼レフカメラの中間的な位置付けとなっており、ライトユーザーや女性ユーザーを中心に需要を取り込んでいる。
 イメージセンサのサイズは、ソニーとサムスン電子がAPS−C、パナソニックとオリンパスが4/3インチ(マイクロフォーサーズ)、ペンタックスが1/2.3インチを採用している。デジタル一眼レフカメラとの差別化や各社の設計思想も絡んだ製品展開がなされている。2011年10月にはニコンが新規参入しており、動向が注目される。今後も参入メーカーの増加が市場活性化に寄与するとみられる。
 しかし、欧米ではミラーレス一眼カメラに対する認知度が低いほか、中国ではデジタル一眼レフカメラの方が人気を集めているなど、国・地域によっては市場が低迷している。参入メーカーが出揃う2012年以降が、本格的な普及時期と考えられる。
 デジタル一眼レフカメラは、中国における旺盛な需要に加え、先進国における新規需要もあり、好調な市場推移が続いている。2010年は前年比112.4%の1,037万台となった。高い技術力を要することや交換レンズを含めたビジネスモデルなどを要因に新規参入が難しく、キヤノンとニコンの2大カメラメーカーが90%近くを占める寡占市場となっている。
 2011年は、前年比142.1%の1,474万台が見込まれる。以降はミラーレス一眼カメラとの競合によって成長が鈍化していく見通しで、2015年にはミラーレス一眼カメラの市場規模を100万台下回る1,700万台が予測される。今後、ミラーレス一眼カメラとの差別化を図るために、一層の高機能化が進むと考えられる。先進国と新興国で需要特性に大きな違いはなく、世界的に同機種が販売されており、特に中国では比較的高価格な機種の需要が高くなっている。
 一方、コンパクトデジタルスチルカメラは、1億台以上の巨大市場を形成しているものの、スマートフォンを始めとしたカメラ搭載モバイル機器やミラーレス一眼カメラなど競合製品の増加を受け、先進国を中心に需要が伸び悩んでいる。メーカーは成長市場である新興国向け低価格製品の展開に注力しているが、世界市場全体としては今後、1億3,000万台規模で横ばいの見通しである。
2. 交換レンズ
 2010年2011年見込2015年予測15年/10年比
交換レンズ2,170万本3,010万本5,670万本261.3%
 交換レンズ市場は、レンズ交換型カメラの市場動向に連動して推移している。また、カメラボディとレンズのセット販売が多く、カメラ市場におけるメーカーシェアも影響する。
 2010年は、デジタル一眼レフカメラが好調なことに加え、ミラーレス一眼カメラの市場が立ち上がってきたことを背景に、前年比135.1%の2,170万本となった。キヤノンとニコンの2大カメラメーカーを筆頭に、ソニーやパナソニックなどレンズ交換型カメラ参入メーカー、シグマやタムロンなど交換レンズメーカーといった日系メーカーが、シェアの大半を占めている。
 2011年は、東日本大震災の影響を受けたものの、夏には生産体制がほぼ回復し、春先の落ち込みを埋めるべく増産していることから、市場への影響は軽微に留まるとみられる。ミラーレス一眼カメラ市場が本格的に立ち上がってきており、今後は同製品向けレンズ市場が大きく拡大していく見通しである。
調査結果の概要
1. 光学関連デバイス
 2010年2011年見込2015年予測
半導体デバイス1兆478億円1兆767億円1兆1,872億円
光学デバイス1兆9,812億円1兆9,059億円2兆2,919億円
エコ関連製品39億円56億円107億円
光学デバイス製造関連製品1,409億円1,775億円2,044億円
合計3兆1,738億円3兆1,657億円3兆6,942億円
 2010年の半導体デバイス、光学デバイス、エコ関連製品、光学部品製造関連製品の合計市場(光学関連デバイス市場)は、世界的な景気後退からの脱却や、スマートフォンなど新規アプリケーション需要拡大を要因に、前年比117.2%の3兆1,738億円となった。
 2011年は、カメラモジュールやレンズユニットの単価下落による光学デバイス市場の減少が影響し、微減が見込まれるものの、2012年以降は年率3〜5%程度の拡大が予測される。
内容の詳細につきましては『2011 イメージング関連市場総調査』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

ページトップ