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『2011 液晶関連市場の現状と将来展望 Vol. 1・2』まとまる(2011/9/21発表 第11089号)

世界のディスプレイ関連市場の調査を実施

2011年のディスプレイ市場:前年比5.1%減の9兆3,430億円の見込
LCD市場:前年比5.8%減の8兆4,732億円の見込
ディスプレイ部材市場:前年比1.0%増の8兆4,363億円の見込
LCD部材市場:前年比0.4%増の7兆5,122億円の見込

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、液晶テレビやノートパソコンの世界的な需要鈍化が顕在化し始め、不透明感が漂うLCDをはじめとした世界のディスプレイ市場とそのアプリケーションそして各ディスプレイの部材市場を調査分析した。その結果を報告書「2011 液晶関連市場の現状と将来展望 Vol. 1・2」にまとめた。

 Vol. 1では、ディスプレイ、アプリケーションの市場とパネルメーカーの事業戦略を調査分析し、Vol. 2では、ディスプレイ部材としてLCD関連部材(前工程、セル工程、実装工程、ライティング)、PDP関連部材、有機EL関連部材、その他ディスプレイ関連部材、次世代ディスプレイ関連部材を対象に調査分析した。

調査結果の概要
1. ディスプレイ市場
 2010年の主要ディスプレイ市場は、前年比10.3%増の39億8,222万枚、同18.1%増の9兆8,446億円と二ケタ成長した。デバイス価格の低下による新興国需要の拡大が牽引した。成長を牽引してきたフラットテレビ市場が成熟しつつあり、ディスプレイ市場も飽和感が強まっている。中期的な見通しは、面積ではプラス成長が続くが、金額では一ケタ成長または横ばいという見方に変化している。
 2011年3月の震災及びその後の計画停電の影響はマクロ的には軽微と言える。大型TFTでは需要が低迷していたことからシャープの生産ライン稼働停止(4月〜5月上旬)や一部の部材供給停止も問題とはならず、逆に予想以上に需要の伸びが小さいことから在庫が増加している。
 大型ディスプレイ(テレビ需要)産業は大型投資によるスケールメリットを重視していたが、市場成熟により「収益の確保」を中心とする戦略の変更を迫られている。また、パネル価格の下落は、普及地域、新興国地域の需要を拡大させたが、2011年の新興国需要は鈍化している。ボリュームの確保は、新興国需要に依存せざるを得ない状況にあり、安定成長の為には継続的なコストダウンが必須となっている。次世代の製品としては、有機ELテレビ、裸眼3D、4K2K(横4000×縦2000ピクセル前後の高解像度の映像・表示技術)が期待される。中小型ディスプレイ市場は、携帯電話ではスマートフォンが主流となり、平均単価の下落が緩やかになっていくと考えられる。高解像度化の他、タッチパネルのインセル化(内蔵化)による高級化も期待される。
タイプ2011年見込前年比2016年予測2010年比
LCD8兆4,732億円94.2%9兆9,332億円110.5%
PDP3,720億円86.0%3,168億円73.2%
有機EL2,571億円184.6%1兆76億円723.3%
電子ペーパー802億円130.0%2,787億円451.7%
その他1,605億円73.4%631億円28.9%
合計9兆3,430億円94.9%11兆5,993億円117.8%
LCD
 2010年の市場は、大型でテレビ、ノートPCともに大きく成長し、前年比20.2%増の約9兆円となった。2011年は、スマートフォン、タブレットPCと車載以外は低迷し、前年比5.8%減の約8.5兆円と見込まれる。テレビ、ノートPC需要の回復は2012年後半以降と見込まれる。厳しい環境の中、スマートフォンやタブレットPC向けの高精細TFT需要が拡大基調にある。高精細TFTに用いられている低温ポリシリコンTFTの供給不足はゲート内蔵アモルファスTFTの増産により、緩和されつつある。
PDP
 2010年の市場は前年比26.5%増の1,910万枚と大幅に増加した。数量は大幅増となったが、パネル単価の低価格化も進んだため、金額では前年比2.9%減の4,328億円と低迷した。2011年以降はテレビ需要の減速により、マイナス成長に転じると見込まれる。LCDの大型化と低価格化に拍車がかかっており、特にボリュームゾーンの40インチクラスのテレビでは、PDPは高付加価値路線を採らざるを得ない状況に至ると推測する。今後は50インチクラスにボリュームを求めることになるが、潜在需要規模は限定的であるため、今後のトレンドは微減推移と予想した。
有機EL
 2010年の有機EL市場は、前年比39.5%増の1億1,675万枚に増加している。特に、アクティブマトリクス有機EL市場の伸びが堅調であり、スマートフォン向けで採用が増加している。パッシブマトリクス有機EL市場では、2009年の落ち込みの反動需要と、中国向けでTN/STN代替が進行し採用アプリケーションが増加し20%近く成長した。アクティブマトリクス有機ELでは、平均パネルサイズの大型化により平均単価が大幅に上昇している。
 アクティブマトリクス有機EL市場では、量産メーカーはサムスンモバイルディスプレイ1社であるものの、生産能力増大を続けており、2011年も市場は拡大するとみられる。また、2012年頃からは他メーカーも量産を開始するとみられ、サムスンモバイルディスプレイの生産能力増強と他メーカーの参入を主因に増加すると予測される。パッシブマトリクス有機EL市場は、中心的なアプリケーションであった携帯電話サブディスプレイが減少に向かい、損失分を中国向けの需要で補完していくと予測され、市場は横ばいから微増と想定される。
電子ペーパー
 2010年の市場は前年比2.3倍の2,018万枚となった。特に電子書籍専用端末市場の拡大が大きく影響している。前年の2009年には、電子書籍専用端末が数多くリリースされ、注目を集めたが、結果として、2010年は、アマゾンのKindleが圧倒的なシェアを占める市場となった。豊富な電子書籍コンテンツを有するアマゾンは、コンテンツ販売の利益を見込んで、端末の値下げを行った。これにより、高品質の電子書籍専用端末が低価格で購入できるようになり、市場が爆発的に拡大した。
内容の詳細につきましてはこちらのページ(Vol. 1Vol. 2)をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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